決まった時間の集中アクセスをMicrosoft® Application Center 2000 で負荷分散 ネットワーク開放という将来構想に、マシン追加で対応可能 組織が変化するとき、改革のチャンスが訪れます。大阪泉州農業協同組合 (JA 大阪泉州) は、合併を期に日常業務を再検討した結果、「...
決まった時間の集中アクセスをMicrosoft® Application Center 2000 で負荷分散
ネットワーク開放という将来構想に、マシン追加で対応可能
組織が変化するとき、改革のチャンスが訪れます。大阪泉州農業協同組合 (JA 大阪泉州) は、合併を期に日常業務を再検討した結果、「発生主義の徹底」、「手数料の統一」、「スケーラブルなコンピュータシステムの導入」という 3 つの改革を行いました。
<導入の背景とねらい>
合併を期に、管理システムを Microsoft Windows® 2000 Server ベースの「モノの流れが把握できる」システムに統一
全国の農業協同組合 (以下 JA) には今、互いの強みを持ち寄って経営基盤を強化し、スケールメリットを活かして行こうという流れがあります。2002 年 6 月、貝塚市、泉佐野市、泉南市、阪南市、熊取町、田尻町、岬町の JA が合併して JA 大阪泉州が生まれました。「合併により経営基盤が強化できること、取引市場を大きく広げ、組合員に有利で効果的な販売ができるよう適切な市場を見つけられることが大きな利点です」と、JA 大阪泉州の参事 相馬政春氏は説明します。現在、大阪には 16 の JA が存在します。JA 大阪泉州は、13 部会 (64 品目:大阪では最大) を擁し、全国 36 社の卸売市場と毎日、取引を行っています。
組織の規模が大きくなる「合併」の効果を確かなものにするには、これを機会にムダなものを省き、いいアイデアを採用し、必要ならシステム全体の見直しをするといった大胆な業務改革が求められます。JA 大阪泉州は、モノの動きに合わせて入力をする「発生主義」の徹底。合併前、ばらばらだった手数料の統一などの方針を取り決めました。JA の事業内容のうち、信用事業、共済事業については古くからコンピュータ化が進み、これらを統合するのは困難ではありませんでした。問題だったのは、経済部門の「販売」システムです。ここでいう「販売」とは、生産者農家から農作物や生花を荷受し、卸売市場にこれを割り振って販売し、売れた分を集計して生産者農家に精算する一連の業務のことを言います。それまで利用されていた販売システムは、生産者への精算だけに特化したオフコンベースのシステムで、モノの流れは把握できませんでした。
これでは「あの市場は M サイズの玉ねぎが高い価格で売れるから、M サイズの玉ねぎだけを各集荷場から持ち寄って集中させよう」といったスケールメリットを活かした効果的な割り振りをすることができません。しかも、販売システムは合併前の各 JA が個別に導入したもので、お互いを連携することは不可能に思えました。
これら古いシステムをムダなものとして排除し、荷受した段階で、何がどこに何個持ち込まれたかという「モノの流れ」を集約する新しいしくみが必要でした。これを解決したのが株式会社全農情報サービス (ZIS) が開発した経済システムです。
<導入システムの紹介>
Application Center 2000 を導入し
集中するトラフィックを負荷分散、耐障害性のあるシステムを構築
ZIS の経済システムは、Microsoft Windows 2000 Server をシステム基盤、Microsoft Internet Information Services 5.0 を Web サーバー、Microsoft SQL Server™ 2000をデータベースとする 3 階層アーキテクチャを採用し、発生主義に対応、クライアントとして特別なソフトウェアを必要としない Web システムであることが主な特長です。今回はクライアントに、Microsoft Windows XP Professional、サーバーまでのアクセス回線として、NTT 西日本のフレッツオフィス (IP-VPN) が採用されました。
午後 3 時になると、13 か所の集出荷場で一斉に荷受作業が開始されます。およそ 700 人が持ち込む農産物の品種、個数の端末への入力作業の始まりです。その日のうちにすべての送り状を発行しなくてはならないので、作業はいつもこの時間帯に集中しています。このため、ネットワークを介したサーバーマシンへのアクセスも、毎日この時間帯だけ増加します。JA大阪泉州では、このアクセス集中を分散させ、システムの安定した動作を可能にするため、クラスタリング技術を採用することにしました。ここで選択されたのは、既存システムに変更を加えることなくアプリケーションの展開と管理が容易な Microsoft Application Center 2000 です。
クライアント端末からのアクセスは、まず 5 台の Web サーバーで構成されたクラスタでネットワーク負荷分散 (NLB) され、アプリケーションサーバーに送られます。4 台のアプリケーションサーバーは、COM+ コンポーネントレベルで負荷分散 (CLB) を行い、バックエンドのデータベースサーバーへの接続を確実なものとし、パフォーマンスを改善すると同時にシステム全体を堅牢にしています。Application Center 2000 によって構成されるクラスタ内の特定のホストサーバーで生じた障害は自動検知され、他のホストサーバーが処理を続行してシステム全体の耐障害性を高めるしくみです。
「サーバー調整のため、2 台の Web サーバーを停止したときも、何事もなかったかのように、残りのサーバーでシステムは稼動していました。スピードに関しても遅いと感じたことはありません」と、JA 大阪泉州 営農経済部 販売課 課長代理 田宮功氏は Application Center 2000 の効果を体験したときの感想を語りました。
ZIS 西日本支店 営業統括課 調査役 長谷一郎氏はそのときのことを「サーバーをチューニングした結果、驚くほど CPU 稼働率が改善されました。それまで 60~70% の使用率だったものが 10~20% まで減少したのです」と、振り返ります。適切な調整を施した経済システムはその後、もちろん停止することなく安定した稼動を続けています。
<導入の結果と今後の展開>
将来のアクセス増加にも簡単に対応できる
Application Center 2000 のスケーラビリティ
「システムを導入した効果は少しずつですが、出ています」と、相馬氏は言います。入荷量が増加したことによる「効果的な割り振り」が功を奏しているのです。これを加速するため、JA大阪泉州には、現在の13か所の集出荷場体制を3か所に集約してしまおうという計画があります。
「送り状も本部で全部出してしまおうと考えています。本部に機能集中することで、各市場の動向をまとめて見ることができるなどの利点が出てきます」と JA 大阪泉州 営農経済部 販売課 課長 南口義彦氏は説明します。
今後の抱負を、JA 大阪泉州 営農経済部 部長 西田繁雄氏は「情報化の時代ですから、必要な情報を生産者に早く開示できる体制を作り上げたい。ネットワークを組合員に開放したいのです」と語ります。これに対して長谷氏は「実は、そういう将来構想を見越して、Application Center 2000 を採用しました。組合員がインターネットを介して直接、販売価格を閲覧できるようなしくみも簡単に実現できますし、そうすることで仮にサーバーへの負荷が大きくなったとしても、Application Center 2000 を導入したサーバーを追加してスケールアウトしてやればいいのです」と、このシステムの拡張が容易であることを強調します。
「モバイル端末に市場情報を配信してあげれば、電話で尋ねるより安くすむ」、「株価のように販売単価をリアルタイムで見られるようなしくみが欲しい」などアイデア、要望は尽きません。このようなサーバー負荷が予想されるような将来構想にも、今回構築したネットワークシステムは迅速かつスケーラブルに対応することができるでしょう。
最新ニュース
はてなブックマーク - 新着エントリー - 総合 新着エントリー
- 福祉事業所の閉鎖、昨年最多212件 報酬改定、収益減響く 障害者の受け皿狭まる - 日本経済新聞on 2025年6月10日 at AM 8:17
障害者の仕事や生活の場となる福祉事業所の閉鎖が相次いでいる。東京商工リサーチによると2024年の倒産は37件、休廃業や解散は175件でともに過去最多になった。低採算の場合は国からの報酬を下げ、経営改善を促そうとした改定で、運営自体が行き詰まるケースが増えた。すぐに再就職できないケースも多い。専門家からは制...
- 成年後見制度 「必要に応じ終了可能に」 法制審部会が中間試案 | 毎日新聞on 2025年6月10日 at AM 8:15
成年後見制度の見直しに向けて、中間試案について議論した法制審議会の部会=東京都千代田区で2025年6月10日午後1時29分、三上健太郎撮影 成年後見制度の見直しを議論している法制審議会(法相の諮問機関)の部会は10日、制度改正の中間試案を取りまとめた。いったん制度の利用を始めると利用者の判断能力が回復しない限...
- 竹中工務店がセンシンロボティクスに出資 ロボット活用し建設現場を省力化 - 日本経済新聞on 2025年6月10日 at AM 7:53
竹中工務店は10日、ソフトウエア開発のスタートアップ、センシンロボティクス(東京・品川)と資本業務提携を結んだと発表した。センシンロボはドローンやロボットを制御する技術を持つ。建設業界の人手不足が深刻化するなか、現場の巡回などに同社の技術を活用し、省力化につなげる。同社は既に出資を完了しており、出...
- イオン、カカオ使わず代替チョコ 原料はひまわりの種 - 日本経済新聞on 2025年6月10日 at AM 7:53
イオンは10日、カカオ豆を使わずに作った代替チョコレートをプライベートブランド(PB)「トップバリュ」で発売したと発表した。カカオの代わりにひまわりの種を原料として使い、チョコの香りや味を再現した。カカオ不足や価格の高止まりが続くなか、安定調達できる代替品として販売する。全国の「イオン」「イオンスタ...
- 生成AIで作成のわいせつ画像、SNSで共有か 男を逮捕 愛知県警:朝日新聞on 2025年6月10日 at AM 7:49
生成AI(人工知能)で作ったわいせつな画像をSNSのグループで共有したとして、愛知県警が10日、県外に住む50代の男をわいせつ電磁的記録記録媒体陳列の疑いで逮捕したことが、県警への取材でわかった。男…
- 何もしていないのに体重が減るから異常?と思ったところで「毎日エアロバイク30分漕いでる」ことを思い出した話→30分で体重落ちるってどういうこと?と逆に気になる人が集まるon 2025年6月10日 at AM 7:48
じゅうあみ @a110ami 何もしていないのに体重が減っていく…!体の異常…!?みたいに戦慄して人間ドックも申し込んだけどいろいろ総合して考えると「毎日エアロバイク30分漕いでるからでは?」という説が有力になってきた そうかも 2025-06-09 15:52:59 じゅうあみ @a110ami 自分の中で毎日のエアロバイクは「運動の時間」...
- 日野自動車と三菱ふそう 来年4月に経営統合で最終合意と発表 | NHKon 2025年6月10日 at AM 7:46
大手トラックメーカーの日野自動車と三菱ふそうトラック・バスは10日、2026年4月に経営統合することで最終合意したと発表しました。 両社はトラックなどの開発や生産で協業を進めるほか、次世代の技術開発でも連携することで競争力の強化につなげるとしています。 新たに設立する持ち株会社の傘下に両社が入り、それぞれ...
- ウクライナ首都とオデーサに「大規模」ドローン攻撃on 2025年6月10日 at AM 7:32
【6月10日 AFP】ウクライナは10日、首都キーウと南部の港湾都市オデーサが同日早朝、ロシア軍による「大規模な」ドローン攻撃を受け、1人が死亡し、病院が被弾したと発表した。 キーウ中心部では、AFP通信の記者が少なくとも12回の爆発音と対空砲の発射音、そしてドローンのうなるような音を聞いた。少なくとも7地区が攻...